森ガールが盛りアガールまでのトレンドの流れ

森ガールが盛りアガールまでのトレンドの流れ: " 10月3日放送の東京カワイイ★TVは「秋のファッション★新勢力ランキング」と
いう内容でした。「渋谷電脳リサーチ」の小山隆氏が出演しトレンドを解説されていたのですが、そのランキングがこちら。




10位 悪羅悪羅系(オラオラと読みます)

9位 双子ファッション(2娘1・ペアルック)

8位 強め女子(強め“ギャル”ではなく“スタイル”)

7位 サロン系(原宿のサロンボーイ)

6位 B-girls(ブラック系ヒップホップファッション)

5位 スカート男子(実際に多いようです)

4位 おしゃれな自転車族(主に女性)

3位 でかリボン族(マンガ・アニメの影響?)

2位 渋原系(109ブランド×古着/トレンド×1点もの)

1位 森ガール




キーワードの横にポイントを付記しておきましたが、今回取り上げるのは1位の森ガール。ぶっちぎりの1位として紹介されていて、もはや、今年を代表するトレンドになっているので、少し掘り下げてみようと思います。



 森ガールとは、mixiにある「森ガールコミュニティ」発のファッションスタイル。ほっこり、ふわふわ、フォークロア、シンプル、ナチュラル、エコ、北欧、手芸、レトロ、ぺたんこ靴、花柄、Aライン、動物モチーフ等がキーワードになっていますが、ゴスロリのように厳密な定義はなく、「森にいそうな女の子」という程度のゆるい括りです。近いイメージだと蒼井優さんでしょうか。サーファーに対する陸サーファーみたいなもので、「森にいる(アウトドア女子)」ではなく、あくまで、「森にいそう(森ガール)」なので、敷居が低く、誰でも比較的入りやすいスタイルです。



 では、なぜ、今、森ガールが盛りアガールなのか?とくだらないオヤジギャグは置いておいて、森ガールと言えば、ファッションスタイル以外に、「異性ウケ」という点で言及されることも多いんですね。「森ガールは異性重視で、隙のある雰囲気が男性を惹きつける(狡猾だよ派)」「いやいや。森ガールはセクシーとは縁がないほっこりスタイル
だよ(天然だよ派)」という感じで。



 真相はちょっとわかりませんが、この「異性ウケ・同性ウケ」という視点で、森ガールブームを読み解くと面白いんじゃないかな?と思ったので、森ガールという言葉を聞くようになった、2008年前後のトレンドを簡単に振り返ってみたいと思います。では、さっそく2007年から。




■2007年 エビちゃんブーム(モテ系)の終焉



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キーワード…モテ→愛され→褒められ→萌え

雑誌…Anecan創刊→CanCamモデル世代交代→CanCam離れ加速



 皆さんもご存じのとおり、2006年はエビちゃんブームでCanCam黄金期です。CanCamの核となる「めちゃモテ」というフレーズが象徴するように、モテ至上主義で、CanCamの打ち出す「かわいい」は異性の目を強く意識したものでした。しかし、そこに「愛され」「褒められ」「萌え」という新たなキーワード(万人ウケ)がぶつけられ、「かわいい」の性質が変わっていきます。「かわいい」って男性に媚びること?それって違うんじゃないの?と、新しい「かわいい」の模索が始まるのです。それが2007年です。



 最終的に落ち着いたのはギャル発のポップな「かわいい(≒萌え)」。萌え→ファンタジー(例:ゴスロリ)→お姫様テイスト→姫ギャル(男性は萎え)と形を変えていき、いわゆる、コンサバ・お嬢様路線(≒お姉系)からギャル系へと政権が交代するのですね。言い換えたら、大人っぽくお上品な「かわいい」路線から幼児性を伴うポップな「かわいい」路線へと価値観がシフトしていったのです。小悪魔agehaの台頭もこの頃で、ViViやPopteen(ギャル系)も勢いを増し、2008年のトレンドを引っ張っていくことになります。



■2008年 姫ギャルブーム



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キーワード…アンチモテ→草食男子登場→ゆるカワ

雑誌…小悪魔ageha(発行部数30万部突破)、宝島社台頭の兆し(sweet人気)



 ギャル的「かわいい」が先鋭化(盛り・デコ・姫)され、男性には理解不能になるのが2008年ですが、女性が幼いころ憧れた「お姫様」要素をアレンジしたものなので、女性にとっては共感できる「かわいい」です。2007年からきていた流れですが、2008年に小悪魔agehaがさまざまなメディアに取り上げられたことにより、爆発的に流行します(特に2008年の上半期)。



 ついでに、2008年は、言葉までギャル化しKY語も流行りましたよね。KYは2007年から流行っていましたが、その亜流がたくさん生まれ、それに関する本も多数出版された年です。やはり、こちらも男性には理解不能。しかし、女性(ギャル)には理解できる言葉で、仲間意識を高めるものとして重要な役割を果たしました。



 「かわいい」の先鋭化にKY語。どちらにも言えることは、異性の排除です。CanCamブームで異性ウケに傾きすぎたので、目線を同性ウケに戻したのです。「生まれつきエビちゃんじゃなくたって私たちは努力と一緒に生きていくんだ。小悪魔ageha2007年10月号より」。この言葉に全てが集約されています。小悪魔agehaに登場する、自立した逞しいモデルたちに憧れ、男性に媚びるのではなく(アンチモテ)、あくまで、自分のためにオシャレをし、自分のためにライフスタイルを確立し、自分の狙った男性を落としにかかる。それが2008年です。



 そして、能動的に男性と関わる過程で、多くの女性が、「草食男子」なる存在を知ることになるのですね。受け身の恋愛では、なかなか気付けなかった存在です。彼女たちは「イマドキ男子はどんだけ複雑!?恋愛セミナー男ゴコロ、ここがギモンです!MORE2009年3月号より」と困惑し、2009年に草食男子の特集が次々と組まれるようになるのです。



■2009年 森ガールブーム




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キーワード…草食男子→宝島社(付録)→ゆるカワ→森ガール

雑誌…宝島社(付録)人気 Sweet、In Red、spring、mini



 ナイーブな草食男子にアグレッシブな「かわいい」がウケない、
または、あえて、自分たちに攻め込んでこないことを知った女性たちは、過剰な装飾を落としていき、2008年からのトレンド「ゆるカワ」の流れを汲み、ゆるい感じにカジュアルダウンしていきます。この「ゆるカワ」が森ガールブームに弾みをつけたのは言うまでもありません。トレンドを牽引するギャルも「渋原系」と109(ギャル)スタイルに古着を混ぜてカジュアル化します。「私たちが頭を高く盛ることは顔をかわいく見せるためだけじゃなく外敵から身を守るための武装だった。それが今、武装がひとつはずれた。街に盛りがあふれ景色にとけこみ私たちは高く高くデカくデカくしなくても身を守ることができる。あとはただ、心に鎧を――小悪魔ageha2009年8月号より」。



 その過程で、「かわいい」のロールモデルを「お姫様」から「森の中にいそうな少女」に設定変更し(どちらにせよ、ファンタジー)、武装の大半を解除する女性たちが増えていきます。
攻撃的なギャル系ファッション(強めギャル)や、メイクとブランドで武装した華美な女性(姫テイスト)が多い中、シンプルでエコでナチュラル志向な森ガールが目の前に現れると、男性は癒さるというわけです。彼女たちになら近づけるかも?と思うのです。こうして、草食男子に一番人気のスタイルが「森ガール」となるわけですね。結果、「計画通り(ニヤリ)」という女性(狡猾派)もいれば、「かわいい」を追求しているだけなのに(異性ウケを意識していないのに)、なぜ男性が寄ってくるの?と困惑する女性(天然派)も現れ、森ガール像が2つに割れることになるのです。



 この森ガールが2008年の下半期くらいから注目を集める一方で、
カジュアル系に強い出版社、宝島社の勢いが増しているのも見逃せません。付録戦略も功を奏し、ギャル、カジュアル、モードと守備範囲の広いsweetがファッション誌の頂点に立ったのです。「出版不況と言われ続ける中、幸いにもスウィートは10周年記念号という絶妙なタイミングで、創刊以来最高となる55万部を売り上げることができました(しかもファッション誌日本一!)。sweet10月号発売時HPより」。この宝島社と森ガール人気の相乗効果で、トレンドの中心がカジュアルファッションになっているような気もしますが、ファストファッションブームが関係しているのか、付録人気はとどまる気配を見せないので、宝島社の人気は来年も続きそう。そうなると、森ガールの人気もそれに引っ張られる形になるんじゃないでしょうか。




 最後に。2010年はどうなっていくのか。私にはちょっと想像がつきませんが、sweet、In Red、spring、mini。宝島社のファッション誌の誌面をよ~く見ていると、「モテ」という言葉や異性目線が散りばめられていることに気付きます。今まで恋愛特集をあまりやらなかったカジュアル系ファッション誌も、ここのところ、頻繁に恋愛特集をしていますし、もしかしたら、来年は、モテアゲインの流れになるかもしれません。と、その前に、森ガールのファッション誌が創刊されるようなので、この森ガール人気がどこまで続くのか。ウォッチに励もうと思います。




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Posted by da-i at 21:13 | 0 comments read on