不景気の病に効きそうな薬をもらった [編集長ブログ―安田英久] | Web担当者Forum

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今日は、Webの話から離れて仕事のやり方の話を。



最近、どんな人と話をしても「景気悪くて、しんどいですね」という流れになってしまいます。まぁ、その話題を振るのが悪いのですが。でも、景気が悪いと言って暗くなるよりも、前に進みましょう。そのために、やる気が出る言葉をいくつか紹介します。



最近SEOmozの人とメールでやりとりしているときに、「米国はどうですか? 日本は今、Web系のビジネスがすごく厳しい状況です」みたいな感じのことを(泣き言っぽく)言っていたら、SEOmozの社長のジリアンさんからのメール(しかも長文)に、こんな言葉が入っていました。





生き残れる企業とは、将来を見据え、ビジネスの手段や焦点やスタイルを変容させることによって、未来のテクノロジーやヒューマンインターフェイスをうまく利用していけるところ。そうできる企業は生き残るだけでなく、さらに成長して、明日の、近い将来の、そして未来のリーダーとなれる。それ以外の企業は、人力車専門の製造業者のようになっていくだろう。出版社とはいえ、最後に残った紙出版の1社になれば、その世代の人からは好奇の目で見られるだけの存在になってしまう。自分を“今の経済での有力者”だと思っている人や、“今の社会のリーダー”だと自認している人には、未来はない。



将来に目を向けようよ! インプレスは、一番すごいテクノロジーを見つけて、それを最大限に活用できるように、自分を変えていくんだ。インプレスが情報発信するべき相手は明日の世界にいるのであって、昨日の社会を見ているべきではない。そして、理解しておくこと……“今日”はすぐに“昨日”になっていくんだ。




太字で示した部分は、原文ではすべて大文字で、つまり強調して書かれていた部分。人力車というのは、日本観光に来たときに、浅草で観光用の人力車に乗ってもらったあたりから来ている話です。



景気が悪くて気分も下がっているときに、このメールは効きました。ジリアンさんは精力的な人で、話をするといつもヒントや気づきをくれるので、私にとってはビジネスの師匠の1人です。



とはいえ、こんなことばかり言っていると、「ビジネス書みたいなきれい事はいいけど、今期の売り上げはどうするんだよ?」と言いたくなりますよね。でも、実は論点が違います。目の前にあることはやらなきゃいけないし、今年を乗り切らないと来年がないのは当然。それはビジネスを行ううえで大前提。でも、そこ(厳しい今)だけ見ていると、ずっとその状態にとらわれてしまって、気持ちは「景気良くならないかな」となってしまいます。気がつくと、「景気が悪いからね」と言い訳をしている自分がいるのではないでしょうか。そうじゃなくて、やるべきことはやったうえで、後ろ向きにならずに、自分の進むべき道をしっかりと見据えるべきだという、ある意味当然の話なんですよね。



ジリアンさんのメールは、こんな風に続きます。




何をどうすればいいかわからない人にとっては、常に物事は難しいもの。私は人力車の作り方は知らないけど、カンファレンスを開催して、検索マーケティングに夢中になっている人をたくさん集めることはできる! 自分だけではできないことをやろうとしないこと。やりたいことを実現できる人と一緒に働けば、レバレッジを効かせられる。あなた自身が人生のすべてにおいて何をどうするべきかを知っている必要はない。お願いすれば望んであなたのやりたいことを実現する道を示してくれる人との関係を作ることが大切なのです。




さすが師匠。



あと2つほど、最近気に入った言葉を。



イチローはなぜ、同じ毎日をくり返しているのに未来をつくれるのか。


NTT東日本の宣伝で使われているメッセージですね。



http://www.ntt-east.co.jp/gallery/pop_cm/cm_cp_0009_30s_2m.html



「ある日突然、うまくはなれない。」

一歩ずつ階段を上っていく。

一進一退を繰り返しながら、ちょっとずつ進歩していくしかない。


こちらは、キリンビバレッジのFIREの宣伝で使われているメッセージ。



http://www.beverage.co.jp/fire/ad-gallery/html/cm2-1.html



どちらもメジャーリーグの日本選手ですね。日本人がメジャーリーグに進出して活躍するなんて、一昔前には考えられなかったことでしょう。でも、それを達成した人たちは、大博打に勝ったのではなく、そのために進むべき道を進んでいるんですよね。



Web業界も今はかなり厳しい状態ですが、明日に向かって、将来に向かって進みましょうね。とはいえビジネスが一晩で変わることはないので、今日のこと明日のこと、やるべきことを一歩ずつ進めながら。



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Posted by da-i at 20:02 | 0 comments read on

【書評】 逆転の発想

【書評】 逆転の発想: "

gyakuten


いまさらながら糸川英夫先生のベストセラーを読破。糸川先生についてはこちらに詳しくありますよ。日本が誇る科学者の一人です。


» 糸川英夫 – Wikipedia


さて本書ですが、全編にわたって「これからはこうなるはずだ、こういうことを考えなくてはいけない」といったエッセイになっています。初版が昭和57年なので、未来予測も「1990年にはこうなっているはずだ!」といったものが多く、未来人の視点で読み進めることができました。


もちろん予測が外れていたり、さすがそのとおり、といった点もあるのですが、個人的には「今後どういった問題を考えなくてはいけないのか?」という先生の視点がたいへん勉強になりました。


せっかくなのでいつものように個人的にぐっときたポイントをあげてみます。



  • 輪の外へ

  • 冒頭に宮本武蔵と沢庵和尚のエピソードが出てきます。剣の道を究めてしまったのでこれからどうすればいいのか?と聞く武蔵。沢庵和尚は黙って武蔵の周りに棒で円を描きます。すると武蔵がしばらく考えてからぽんとひざをうち、輪の外に出た、というお話です。


    つまり「剣の道」という輪の中でしか考えられなくなっているのではないか、輪の外に出てみなさい、という教えなのですが、このエピソードで糸川先生は「これからのリーダーは1日に何回か『輪の外』に出るべきではないか」と提言しています。


    禅問答のようなお話ですが、こうしたエピソードは心に強く残りますよね。自分も武蔵のように円の外に気づける人間になりたいものです。


  • 社会から疎外されると・・・

  • フランスの社会学者によると、社会から疎外されていると感じている人が一時的な集団をつくると異常行動を起こすことがわかっているそうです。具体的には「衝動的になる」「待つことができない」「自分が全能だと信じてすぐに行動に移す」「批判力がなくなり行動が過激になる」「他人を許さない」「残酷になる」といった特徴が出るらしいです。


    都会で文明が発展しすぎるとこうした「自分が社会から疎外されている」と感じる人が増える傾向があります。そのために何をすべきかを考えなくてはいけない、と先生は提言します。


    具体的には幼児期の教育から作り直すべき、という考えが紹介されていますが、現代の状況に照らし合わせると何ができるか、と考えてしまいますよね。人とのつながりを感じられる仕組みが今後ますます求められていくのでしょうね。


  • 数学の意味?

  • 糸川先生は科学者でありながら「ずっと数学が好きではなかった。意味がわからなかった」と述べています。


    しかし本書では「ようやく数学を学ぶ意味がわかった」と説明しています。つまり、「これができたら次はこれ、これもできたら次はあれ」と明確にレベルアップしていく実感を得られる学問だから、と結論づけています。たしかに社会や国語では主観がはいってしまうので誰もが納得する「レベルアップ感」は得られないでしょう。


    あまり教育システムなどを語れる立場にはいませんが、この「レベルアップしたいと思わせる仕組み」は自分の子供(まだいないけど)や、これからの社会にとって重要なキーワードになるのではないでしょうかね・・・。いまの教育ってどうなっているんだろ、とちょっと考えてしまいます。


  • 無目的の重要性

  • 働きアリというのは実は1日の1/3の時間は働いていて、あとの2/3は遊んで暮らしているそうです。そこらへんを散歩にいったり、女王アリのひげをさわって遊んだりとか特に目的のないことをしているようです。


    しかしこの働きアリを2つのグループに分け、1つのグループからは遊びの時間を奪ってみます(遊ぶ時間になったら狭い箱に閉じ込めてしまう)。そしてこの2つのグループのアリをある日、巣から遠く離れた場所に運んでしまいます。すると遊びの時間を奪ったグループは巣に帰ることができずに右往左往してしまったそうです。


    この実験から先生は「無目的な遊びがないと環境適応能力が育たないかもしれない」と主張します。そして人間にとっての「無目的な遊び」とはなんだろうか、と考えます。ボーリングやスキーは目的をもった遊びです。そこで先生がたどり着いたのが「人にとっての無目的な遊びとは『愛』ではないか」という結論でした。


    実験結果の解釈などについてはいろいろ意見があるでしょうが、「愛が環境適応能力を高める!」という主張にぐっと来まくりましたよ!(それだけ)


  • 満足感の得られない社会

  • 都市化が進むと疎外感が強くなります。そしてそうした社会ではレジャーや教育といったものが売れるようになります。しかし、そこでの問題は「それを買えば買うほどもっと欲しくなる」という点です。つまり「満足感が得られない時代」に突入しているのではないか、と先生は主張します。


    これは現代を見ていてもそうですよね・・・。レジャーや教育が売れているかは別として、漠然と「もっと幸せになりたい」感が蔓延しているのではないか、と思います。このために人とのつながりだとか、情緒を満足させることが大事と先生は主張しますが、これは現代においても十分に通用するヒントだと感じました。


  • May I Help You?

  • そしてそうした社会においてもっとも大切なのは「May I Help You?」の精神ではないか、と先生は続けます。つまり「他人のために何かをしてあげることで満足感が得られるはず」という主張です。


    ただし、都市化がすすめばすすむほど「誰かのために役立つ経験が奪われている」とも先生は述べています・・・。これは確かにそうかもしれませんよね。そうした環境においても人が満足するにはどうしたらいいか、というのはじっくり考えるべきテーマだと思います。



そんなところですかね・・・すっかり長くなってしまいました。ずいぶん古い本なので、使われている語句になじみのないものも多いですが(かつ、そ、それはNGワード・・・という語句もちらほらw)、これからの時代を生き抜くヒントとしておすすめしておきます。


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» 逆転の発想―社会・企業・商品はどう変わる? (1974年) (President books) [古書] (-)

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Posted by da-i at 12:59 | 0 comments read on